音楽にまつわるあれこれ


by august_moon
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崎谷健次郎 "SOUL ARCHEOLOGY TOUR 2002" 2002年8月3日 渋谷CLUB QUATTRO

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【演奏曲目】
1. Cheers ! Tokyo
2. JewelryよりMemory
3. LADY IN LOVE
4. 25:00の嵐
5. 潮騒の時
6. TIKI island
7. もう一度夜を止めて
8. Love is ...beautiful
9. 夏のポラロイド
10. Melody
11. 風を抱きしめて
12. 僕と君の関係
13. I Wanna Dance
14. HALF MOON
 ~アンコール~
15. Have some fun !
16. 夏の午后
 ~ダブルアンコール~
17. Sweet Effection

 昨年リリースされた最新アルバム『SOUL ARCHEOLOGY』の2002年ツアー、と題されながらも曲目の構成としては、最新アルバムから4曲、そしてデビューアルバム『DIFFERENCE』から7枚目のアルバム『BOTANY OF LOVE』までの中から1曲から3曲ほど演奏されたライブだった。デビュー当時からのファンにはたまらない集大成的な選曲であったに違いない。今回は「夏」のライブ。ファンがどんな曲を聴きたがっているかも、ライブ前のインターネット・チャットで、崎谷さんは選曲を決めたらしい。

 ステージ上にはスモークが立ち込め、爽やかなブルーのライトにピアノのイントロ曲が流れる中、崎谷さんが登場。そして1曲目は意外にもアルバム未収録の"Cheers ! Tokyo"で元気にスタート。ワンコーラスが終わったところで、「みんな元気かい!?崎谷、帰ってきたよっ!」と客席にシャウト。歌詞でも「♪輝くシルエット~♪」と歌っているように、後方からのホリゾン・ライトに照らされた崎谷さんは逆光に浮かび、とてもかっこよく見えた。

 2曲目は、ちょっと懐かしく"JewelryよりMemory"。ハウス・サウンドも今となっては時代を感じさせるものの、音色は今時のシンセ・ベースサウンドでメロディアスなフレーズを刻み、バックコーラスも崎谷さん自身による多重録音。間奏のサックス・ソロでは、ピッチベンドを使った演奏を披露。

 ここで最初のMC。「皆さん、こんばんは!今日は本当にオール・スタンディングなんだね?もう盛り上がって行くっきゃないね、これは・・・。あの~っ、途中でちょっときつくなったら言ってくれなっ」。会場は爆笑。「でも、どうしようもできないな、そうは言ってもなぁ・・・まあ、でも最高の一時にしたいと思います。最後までごゆっくりお付き合い下さい」。

 「LADY IN LOVE !」と3曲目がスタート。ロック調のこの曲で、今回のライブの音響の良さを実感できた。イントロのディストーション・ギターの重低音と、メロディーの裏で刻んでいる軽やかなカッティング・ギターの鳴り。まさに「ドンシャリ・サウンド」(死語か?)。すっきりと聴きやすくも、バック・ビートや低音もきちんと鳴っている。そして何よりも、そのオケに崎谷さんのボーカルが埋もれていない!ミキサーさんの腕が良かったのかもしれない・・・。

 そして1991年の「アンビバレンス・ツアー」以来聴いていない、「25:00の嵐」のイントロが・・・。もうこの曲は大好きで、自分でも何度聴いたか覚えていない。安定した8ビートのベースに、裏打ちするキーボード。音楽通なら裏打ちのフレーズの小気味良さが解るはず。マイナー調で松井五郎氏による作詞のアダルトな内容も、今なら尚更解かる・・・。でもさすがに小技の利いたこの曲のイントロはオケを作り直さず、CDからのフレーズ・サンプリングだった。それにしてもこの曲、季節は一応「夏」らしい。「♪二人の抜殻を 脱ぎ捨てた 静寂が壊れてゆく夏の部屋・・・♪」。

 それから一変して、同じくアルバム『ambivalence』から、メジャー調の曲、「潮騒の時」を披露。

 ここで2回目のMC。崎谷さんがかつて好きになった女性の話をした後に、「まあ、あの~、それで、あの~今だったら・・・、う~ん、まあ、旅行でね、そういう女性とどこかへ行くとしたら、どこがいいかな?と思うんですけども、やっぱハワイがいいかな?」。と、言いつつも、今まではハワイなんて芸能人ゴルフ大会みたいで、ありきたりで嫌なイメージを持っていたらしいのだけど、実際に「行って見るとホント綺麗で、何もかもがでっかいんですよ。ショッピング・アーケードも、自然も大きいので、あ~っ、こういう所だったらロマンティックな気分になれるかも・・・と、思ったんですけども、次聴いてもらうのは、その~っ、太平洋の島々、ポリネシアの島々、そういうものをね、イメージした曲なんですけども、夏にピッタリなんでね、ちょっと涼しい気分で聴いて下さい、TIKI island...」。と、南国の世界へ私たちを誘ってくれた。

 会場の雰囲気がゆったりとしたところで、続けざまに新旧のバラードの名作、「もう一度夜を止めて」と"Love is ...beautiful"を披露。

 しっとりと3曲が演奏された後に、3回目のMC。まずは眼鏡の話から・・・。デビュー当時から、眼鏡はかけているんだけれども、実は毎年、マイナーチェンジしているという話をした後に、崎谷さんの音楽も少しずつ変わって来てはいるんだけれども、共通して言えるのは、「センチメンタリズム」とか「ノスタルジック」なイメージがあると、本人は実感していると話していた。そして小学校時代の話を笑い混じりで振り返っては、小学校の頃から自分は「ノスタルジック性格」だと告白。そしてポラロイドカメラを引き合いに出して、次の曲紹介へと話題を結び付けていこうとするのだが、ポラロイド写真に写った画像が段々と色あせていくのが、後で見ると「過去」になってしまった感じがして、とても切なくなることがある・・・と話した後に、崎谷さんが24歳の時に書いたという「夏のポラロイド」を演奏。

 続けて、最近定番となりつつあるミディアム・スローなナンバー"Melody"を披露。この曲も松井五郎氏が作詞をした楽曲だが、恋人との別れを切なく、懐かしく振り返るそんな崎谷さんらしい楽曲だ。

 そして続けざまに、もう一曲切ない「風を抱きしめて」を披露。この曲も自分自身何度も繰返し聴いた。この楽曲はタイトな8ビートが命だが、シンプルで心地よいコード進行と歌詞の繰返しが、薄れていく恋人との思い出から抜け出せずにいる男の切ない恋心を歌っている。「♪風を抱きしめて通り過ぎて行かないで 風を抱きしめてひとりでいられない ♪風に誘われて君の声が聞こえてる 風に誘われて僕はどこに行くの・・・」

 ちょっと懐かしい楽曲の後に、4回目のMC。崎谷さん流、「恋の話」。と、言いつつも、大阪、名古屋公演では、そのMCでは物足りないとの声もあがったようで、本人自身「やっぱ照れくさいのかなぁ・・・」と呟いていた。そして核心へと迫っていくのだが、高校の時の先生が「恋は病気だ・・・」と授業中に言っていたらしい。そして自分自身で何なんだろうと考えたあげく、「恋とは花のようなもの」という風に思ったそうだ。と、言うのも、自然界には様々な植物、例えば、じゃがいもとかとうもろこしとか、ほうれん草とかみかんとかあって、食べられる実用的な植物だけど、恋はあまり実用的ではないと。でも恋の花は、綺麗であること、我々が綺麗だなと思うためだけに生きているのかな・・・と思ったそうで、その為だけに咲いて枯れては、また再生する、と実用的ではないけれども、夢を与えてくれるものだと崎谷さんは思っているそうだ。

 「次の曲はですね・・・」と曲紹介に行こうとしたら、会場からはクスクスと笑い声が。「なんかある?・・・なんかあんのか!」と観客に突っ込みを入れる。「物足りない?!」と聞き返すと、会場からは爆笑と大きな拍手が。「いいのかぁ?!」拍手はますます大きくなる。「ちょっと待て、ちょっと待てよ!違う違う違う」と慌てふためく崎谷さん。「今まとまったんだよ!話。どういうことよ?!今、言ったじゃん。だから・・・ねっ。ギリギリの恋を経験したら・・・って言ってまとまって行こうと思ったら・・・う~ん、もう・・・」と困り果てた様子。「あ~っ、もう、でもねぇ・・・後でまたしゃべるわ・・・」と言ったら会場からは大きな拍手が。「だから曲行かしてくれよ・・・」と懇願。「え~っ、「僕と君の関係」」とちょっとなげやり気味。

 最新アルバム『SOUL ARCHEOLOGY』からの一曲、「僕と君の関係」では生ピアノからきらびやかなエレクトリック・ピアノの音色に差し替えて、演奏がスタートした。音の抜けが良くて、新鮮な響きがした。

 会場の空気も盛り上がってきたところで、「じゃあ、僕に全然似合わないことを始めます。いいかい!」というコメントと同時に、横にセッティングされていた新型のシンセサイザーからはテクノのビートが・・・。(最近崎谷さんは自分のアルバムには収めたことのない、冒険的なことをやろうとする)。会場とシャウトの掛け合いをしたかと思ったら、そのままライブには欠かせない一曲である"I Wanna Dance"へ突入。サビでは当然皆同じ振りで踊った。そして間奏に入るとショルダーキーボードを抱えて、椅子とキーボードによじ登ったかと思いきや、ワイルドなギターソロをフィーチャー。

 曲間を空ける間もなく、デビューアルバムから"HALF MOON"を演奏。15年も前の楽曲なのに、全然古臭さを感じさせなかった。しかし大いに盛り上がったかと思いきや、「どうもありがとーっ!さようならーっ!」とステージを去る崎谷さん。会場からは当然「えーっ!!」の叫び声がした。

 しかしライブはこのままでは終わらない。アンコールの拍手が。そして崎谷さん、上に着ていたシャツを一枚脱いで再登場。そして追加公演の告知。

 そしてアンコール・ステージ、スタート。曲目はライブを盛り上げるために書き上げたという"Have some fun !"。サビでは明るく元気に皆も覚えた新しい振りで会場が一体になった。

 「え~っ、夏にピッタリの曲、これもリクエストで組み込んだ曲、「夏の午后」」と、これもセカンド・アルバムからの爽やかな曲を披露。会場からは歓声が上がった。演奏終了後、「今日はどうもありがとう!気をつけて帰ってね!さようなら!」とステージを降りる崎谷さんに、まだ余韻の覚めやらぬ観客は「えーっ!!」の声。

 しばらく待った後、第二アンコールに崎谷さんは戻ってきた。「アンコールは本当に長くなるので、これ限界かなと思って、考えてなかったところ、急遽、本当にまあ、あの~っ、今までやってない曲をやろうということで、やるんですけども・・・"Sweet Effection"」ということで、エレクトリック・ピアノの音色で弾き語りを披露してくれた。まどろみたくなるような、ゆったりとした演奏だった。

 会場からは大きな拍手が崎谷さんに浴びせられ、ようやく会場の観客も満ち足りた様子だった。ファンの一人から花束を受け取り、「もう本当に皆のこと思ってます。今日は本当にどうもありがとう!また会いましょう!皆のこと忘れない!」と拍手を受けながら、ステージを降りていった崎谷さんだった。

 今回のライブは、本当に自分自身初めて聴く曲もあったし、思い出深い懐かしの曲もあり、夏真っ盛りの中、とても爽やかな気分にさせてくれるライブに行けたと思う。
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by august_moon | 2009-06-28 04:38 | エピソード