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音楽にまつわるあれこれ


by august_moon
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崎谷健次郎 "COVER SONGS / ANTHOLOGY" 2003年12月20日 二子玉川アレーナホール

崎谷健次郎 \"COVER SONGS / ANTHOLOGY\" 2003年12月20日 二子玉川アレーナホール_c0026024_526784.jpg

【演奏曲目】
1. SOLID GOLD(カバー曲)
2. Till the end of time
 -MC-
3. Tomorrow
4. もう一度夜をとめて
5. Love is...beautiful
 -MC-
6. NIGHT ~夜は千の目を持ってる~(カバー曲)
7. 君でなければ(カバー曲)
 -MC-
8. 真昼の別れ(カバー曲)
9. ガラスの巨人(カバー曲)
10. 穏やかな風(カバー曲)
 -MC-
11. 誰のために雪は降る
12. 思いがけないSITUATION(2003年バージョン)
13. Have some fun !
14. KISSの花束
15. 夢の中へ(カバー曲)
 ~アンコール~
16. I Wanna Dance (step step let's dance mix)
 -MC-
17. 幸せにできるから(カバー曲)
 ~ダブル・アンコール~
18. 再会までSO LONG

 今回の崎谷さんのライブ、「良く出来ました」って感じだった。今回のライブのテーマは提供曲、カバーソングを集めたライブだった。まあ行くまではいつも、「あの曲やるかな?この曲聴きたいな」なんて思いを巡らせたりするのだけれど、今回はある意味驚きと感激の多いライブ構成だったと思う。

 今日がツアー最終日ということと、クリスマス直前ということもあって、かなりのパーティー気分ありで、いつになく、随分と盛り上がりを見せたライブだった。カバーソングをメインにやられたら、「知らない曲の方が多いんじゃないか?」って心配もあったけど、いつもの常連客も多かったことだし、崎谷さんも皆がオリジナル曲も聴きたいだろうと、定番曲もはずさずにやってくれた。

 さて、ライブ自体は定刻より5分遅れぐらいでスタートした。イントロは昨年のクリスマスを記念して発売された、崎谷さんのスペシャルCD、"Christmas Musical Gift"から"Silent Night"が会場に流れ出した。そして1曲目のリズムが鳴り出し、3小節目から崎谷さんが登場、そのまま演奏に入るという、かっこいい登場を見せた。

 「1曲目から知らない曲をやられてもなぁ・・・」なんて思っていたけど、意外と崎谷ワールドを壊していない、カバー曲でスタートした。その曲は、俳優である、高嶋政宏さんに書いた"SOLID GOLD"という曲だった。高嶋政宏さんに曲を提供していたということよりも、高嶋政宏さんが「歌ってたのね・・・」って方が、正直驚いた。曲調はミドル・テンポのシャッフル・ビートがきいた、お洒落な曲だった。歌詞も崎谷さんが書いたという、アダルトでセクシーな内容。曲の間奏では、JAZZYなエレピ・ソロも披露してくれた。

 2曲目はオリジナル曲の"Till the end of time"。いきなり歌い出しで、歌詞を間違えたのに気付いてしまった。それだけ聴き込んだ曲だった。この曲は、つい1ヶ月ほど前に、東京タワーのイベント・ライブでも演奏された曲だった。間奏でのミュート・トランペットのソロもきちんと弾いてくれた。

 「皆さんこんばんは。今日はようこそいらっしゃいました。崎谷健次郎です」と挨拶。「今日、寒かったね、外ね」なんて気温の話から。確かに冷たい風の強い日だった。「今日来た時、寒くなかったですか?寒いね~っ・・・もう手もかじかんじゃって・・・」と、ほんとに寒そ~うに喋り、楽屋も意外と寒いらしく、ホカロンなんかで手を温めていたらしい。
今回のライブはクリスマス直前なので、ロマンチックな雰囲気にしたいと語っていて、カバーソングを集めたライブなので、こんな曲知らないとか、こういう曲も書いていたんだという発見をして欲しいと語っていた。まあ提供した曲の中でも、女性に書いた曲もあるけれども、それはそのまま女性詞のままで歌うということで、「オカマちゃん的要素も(あるかも(照れ笑))ないかもしれない・・・」なんて説明をしていた。

 MCの後は続けてオリジナル曲を3曲。

 "Tomorrow"は最新曲であるのと同時に、来年公開予定の映画、「東京原発」のテーマソングになった曲だ。崎谷さんがサウンド・トラックも担当していて、この映画では、最初から最後まで崎谷さんの音楽的世界を楽しめる映画だという。曲調としては、70年代初頭のバラードをイメージさせる曲だった。

 そして今回は、早くも前半4曲目で代表作、「もう一度夜を止めて」が登場し、そして、いつもは、ライブの締めで演奏される、崎谷さんもお気に入りのバラード曲、"Love is... beautiful"が、今回はなんと!リズムのバック演奏ありで披露された。(いつもはピアノ弾き語りだが・・・)。でも曲の最後のリフでは、リタルダンドし、感情をたっぷり込めて歌ってくれた。

 2回目のMCでは、先日東京タワーで行なわれた、ライブ・イベントの話題になった。崎谷さんは今年始めにも東京タワーを訪れていたらしいのだけれど、今回も、ろう人形館には行かなかったらしい。そして、そのろう人形館には、ジミ-・ペイジやジミ-・ヘンドリックス、マドンナとかがいるのだけれども、イギリスにある本場のろう人形館とは違って、似ているんだけれども、どこか違う・・・みたいな場所だと話してくれた。
 そして、そのライブ・イベントで、喋りすぎたということを悔いながら話してくれた。ライブそのものを観に来ている人たちは、MCで「あぁ、喋っているんだな。おもしろい人」って思うだけかもしれないけれど、実はその日のイベントは、東京タワーの館内全部に音声が流れていて、会場としても、東京の瞬く夜景を見下ろせるロマンチックな場所で、崎谷さんとしても、「愛の伝道師として呼ばれているのであって、決して軽妙なトークを必要とされていないんだ」と、自分に何回も言い聞かせながらも、いつの間にか気がついたら館内放送を忘れて、喋っていたという話をしていた。
 それで、ここまで喋ってしまって、やばい、と思ったのが、「バカップルっているよね?」と言ってしまった時だったと言っていた。「今日は愛の伝道師。バカップルのために来たんだろ?」と良心のもう一人の崎谷さんが現れ、すかさずフォローしようと思ったんだけれども、もうその時は遅かったと語り、会場から笑いを取っていた。(確かに先日のライブでは、行き過ぎていました、崎谷さん・・・)。

 「こんな僕にあきれないで下さい・・・。じゃあ、愛の伝道師に戻るよ」と、言って、再びライブへと進行した。ここからは提供曲をバーッと続けざまに歌ってくれた。

 6曲目はエレピ弾き語りで、松田悟志さんに提供した、「NIGHT ~夜は千の目を持ってる~」を演奏し、続けて米良美一さんに書いた「君でなければ」を披露。「君でなければ」の間奏はちょっと変わっていて、マーチング・バンドみたいなスネア・ドラムが鳴っていたし、ちょっとクラシック的要素も入っていた感じがした。

 3回目のMCでは、崎谷さんが曲を書く時に心がけていることを話してくれた。崎谷さんはいつも曲を書く時、後になっても心に残る曲を書きたいと、思っていて、その信念を貫いているつもりだと語っていた。とはいいつつも、色々な冒険をしたがる崎谷さん。(ラップもやったりしますねぇ・・・)。

 8曲目は、高橋真梨子さんに提供した最新シングルで、日本酒のCMソングにもなり、テレビで流れていたという、「真昼の別れ」、そして9曲目は、谷山浩子さんに提供した曲で、「ガラスの巨人」が演奏された。この曲だけは、ラブソングではなくて、谷山浩子さん独特の世界観で、ビルが人格を持ったり、都会の心象風景的なことが描かれていて、イマジネーションを膨らませながらきいて欲しいと語っていた。そして10曲目は、未来-MIKU-というアーティストに提供した、「穏やかな風」が演奏された。

 でも谷山浩子さんに書いた「ガラスの巨人」以外は、前回の東京タワーでのライブで聴いていたので、ちょっと個人的には退屈な時間帯だった。それと先日、NHK BS2で、高橋真梨子さんのライブを放送していたので、「真昼の別れ」は、そっちのアレンジされた完成版の方が、ピアノだけの弾き語りよりも良かった感じはした。

 4回目のMCでは、クリスマスの話題、と言っても崎谷さんは毎年この時期に、北海道の富良野でチャペル・コンサートをやっていて、会場としては、チャペルの中にステージがあって、自分の後ろにはイルミネーションのある窓があって、外では雪が降っているというシチュエーションで、もう「愛の伝道師にならざるを得ない」場所で、ライブをやっているらしいのだけれども、もう動ける場所といったら、ホテルの中しかないので、ラブソングを歌い終わったら、ラウンジにいて、ファンの人とかにも声をかけて、来てもらったりするらしいのだけれど、そのラウンジがまたとても素敵なところで、カップル席とかもあって、ライブを聴きに来てくれたカップルを傍目に、「いい仕事したなぁ・・・間違いない!」と思うらしい。でも夜が更けて、一人の部屋に帰ると、寂しい気持ちになるのだけれど、「(自分は)愛の伝道師だろ?いい仕事したじゃないか?くじけるな!」なんて、自分を励ましているらしい。

 続いて11曲目は、クリスマスにちなんだ曲、「誰のために雪は降る」を演奏した。これは夏のライブでは、季節外れで演奏されなかった曲で、きっと今回はやってくれるだろうと楽しみにしていた曲だった。そして間奏では、メドレーで、WHAM !の"Last Christmas"をワン・コーラス挟んで歌ってくれた。そしてまた、「誰のために~」に転調して戻るという、巧みな技を聴かせてくれた。大変良く出来たメドレーだった。

 さて、ここからは一気に盛り上がった。

 12曲目はリアレンジされた、「思いがけないSITUATION」が演奏された。前回はラテン色が強いかなと思ったけど、エレピ・ソロやギターやベースのリフを聴いている限りでは、ファンク的要素もありかな?と思った。そして、崎谷さんがキーボードの前に出てきたと思ったら、「じゃあ、年の暮れ。皆、ノッてやってみるかい?!」と皆で、サビのフレーズを歌った。(ちなみにいつも自分は3度上でハモるのが好きだ)。

 「楽しくなってきたぁ?クリスマスだよ!もうおかしくならなきゃ、おかしいよ・・・恋の伝道師もおかしくなっちゃったよ・・・Have Some Fun !」と言って、元気良く曲をスタート。段々会場の雰囲気も温まってきて、サビでは皆でフリを踊った。

 続いても元気で明るいお約束の定番曲、「KISSの花束」。

 「早いもので次の曲で、最後の曲になりました。最後の曲は、僕がかつてプロデュースした作品を、今年のバージョンに作り変えました。さぁ!最後の曲、カモン!」と、スタートしたダンス・チューンは皆も記憶にある、斉藤由貴さんが、井上陽水さんの曲をカバーした「夢の中へ」。当時崎谷さんが、ハウス・アレンジした曲を、今年は、ユーロというか、テクノ・トランス的なダンス・リミックスをして披露してくれたのが、メチャクチャ、カッコ良かった。間奏では、崎谷さんがショルダー・キーボードを抱えて、ギター・ソロを決めてくれた。「♪ウフフ~ッ♪」のフレーズが頭の中で繰り返し鳴っていた。この曲が多分一番盛り上がったかもしれない・・・。

 ここで一度はステージを去った崎谷さんだけど、すぐにアンコールに応えに戻ってきた。

 アンコール1発目は、"I Wanna Dance"。ヒート・アップした会場をさらに盛り上げてくれた。間奏では再び、ショルダー・キーボードを抱えて、ステージ前面に登場。もうギター・ソロではキュイーンとチョーキングで、崎谷さんイッちゃってた。完全に昇天してた。

 拍手が鳴り止んでから、「どうもありがとう。座っていいよ」と言われて、ようやく会場も少し落ち着きを取り戻した。

 そしてアンコール2曲目をやる前に、「幸せ」にまつわるMCを挟んだ。宝くじが当たったとか、彼氏できたとか、就職、昇進してよかったとか色々な「幸せ」あるけれど、そんな幸せの中でも一番心にグッとくる、幸せの一つは、自分がへこたれた時に、本当に好きな人が傍にいて、あるがままの自分を「いいじゃない」と言ってくれたら、それ以上の幸せはないんじゃないかと、語っていた。そして演奏してくれたバラードは、郷ひろみさんに提供した「幸せにできるから」だった。

 長くて大きな拍手が鳴り止まなかった。「また会いましょう。さようなら」と言ってステージを降りるものの、今日はツアー最終日、そして東京、とあって、誰もが2回目のアンコールを期待していた。

 ステージに再度登場してくれた崎谷さんは、もう一曲、クリスマスにまつわる曲は無いかなと思って選んだ曲をこれからやるのだけれども、その曲は別れの曲で、人生長く生きていると、色々と沢山の別れを経験して、人間って悪いことばかり、鮮明に覚えていて、そればかりを数えてしまうけど、悲しみと同じくらいの幸せが実はあるんだというMCをしてくれた。

 そして今年最後に披露してくれたのは、「再会までSO LONG」だった。この曲は8分の6拍子で、多分チャペルなんかでやると雰囲気たっぷりでいい感じなんだろうなと思った。この曲をライブで聴いたのも、実に11年振りだった。

 「どうもありがとう。今年ここで皆に会えたこと、絶対に忘れません。どうもありがとう。素敵なクリスマス、そしてお正月を過ごしてください。また来年も会いましょう。どうもありがとう。大好きで~す!さようなら!」と言って、2時間にも及ぶステージが終わった。


 インターネットで調べてみたけど、崎谷さんはオリジナル曲を書いているのと、同等もしくはそれ以上の提供曲があることが分かった。いつか今回のライブのような、提供曲だけをセルフ・カバーしたアルバムを出して欲しいと思う。

 それにしても今回は、ライブの演出には欠かせない、「照明さん」がいい仕事をしていたような気がする。かなりメリハリがあって、曲の雰囲気の切り替えを曲と合わせて、うまくやっていたような気がした。
by august_moon | 2009-06-29 05:27 | エピソード