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音楽にまつわるあれこれ


by august_moon
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Kenny Gの癒し的サックス・プレイ

Kenny Gの癒し的サックス・プレイ_c0026024_140226.jpgテレビ朝日系列の音楽番組、「題名のない音楽会21」で、随分と久々にケニーのサックス演奏を聴いた。David SanbornやCandy Dulferも好きだけれど、ケニーのソプラノ・サックスは何と言うか、ソフト&メロウで心地よい。癒し系のサックス・プレイと言っても過言ではないだろう。

今回披露してくれたのは、彼の代表作である、1986年リリースでグラミー賞を受賞した、"Song Bird"がまず一曲。オーケストラと、軽くクリスタルのような透明感のあるRoland JD-800の"Crystal Rhodes"(もしくはYAMAHA系のエレピ)の音色をバックに、どこまでも澄み切ったサックスの音色を奏でていた。


今回の放送には、東京芸術大学音楽学部邦楽科大学院を修了した、尺八奏者の藤原道山(まだ20代に見える程、若い青年だった)が、ゲストとして出演していた。彼は10歳から尺八を始め、ケニーに憧れていたという。

ケニーは何度も来日しているので、かなりの日本好き、日本通である。日本の人々も、料理も好きで特に、"I like the Matsuzaka Beef."なんてこだわりを見せていた。そして日本語の勉強もしているようで、最近覚えた日本語はありますか?という問いに、「ワタシノ ニホンゴワ アマリ ウマクワ アリマセン」って、(話せるじゃない?!)とツッコミを入れたくなる程流暢に話していた。

それから今回の放送の一番の見所は、"The Moment"を二人で共演したところだった。まずは藤原道山がソロで演奏し、途中からケニーが腰掛けていた椅子から立ち上がり、彼のもとに行って、肩を並べてユニゾンで演奏するシーンだった。それにしても尺八とソプラノ・サックスの音色が、あれほど上手く融合するとは思いもよらなかった。かたや木管楽器、そしてもう一方は金管楽器。息遣いも音色の内に入る、尺八と、吹き出す際にアタック・ノイズのあるサックス。とても美しいハーモニーだった。

日本好きのケニーでさえ、「尺八」の存在を知らなくて、今回初めて、本物を見、そしてその音色を耳にしたらしい。そして藤原道山からケニーに尺八が一本プレゼントされたのだけれど、尺八の初挑戦では、ケニーは音すら出せなかった。でもきっと彼には素敵な贈り物になったに違いない。

またケニーへのインタビューで、「あなたにとって、サックスとは?」という問いに対しては、「私の声です」と、答えていた。

同放送内では、イギリス映画「アルフィー」(1966年)から、Burt Bacharach作曲の主題歌、"Alfie"と、ケニーが音楽スタイルを確立したと言われている名曲の、"Silhouette"(1988年)が披露された。


補足:

他の番組でも数年前にケニーの姿を見たのだけれど、彼は本当に心優しい人柄だと思う。何故なら「あなたの夢を叶えます」とかいう番組で、小学生の子供がケニーの曲を一生懸命練習して、ケニーの前で聴いてもらうのだけれども、彼は途中から、ジョイントして演奏をしてくれていた。(アメリカでは契約内容に細かいことが盛り込まれていて最初は、「一緒に演奏することは出来ないんだ…」と言っていたのに、実際は契約を無視して、小学生の演奏に心惹かれて、ついつい自分もミュージシャンとして参加してしまったというエピソードがある)。
by august_moon | 2005-06-05 14:03 | 洋楽