オフコース3作目、「ワインの匂い」
2005年 02月 20日
厳密にはライブ・アルバムを一枚発表しているので、4枚目なのだけれど、このアルバムはアナログ盤でも持っていたし、CDとしてリマスタリング発売されてからも手にしたお気に入りの一枚。
オフコースと言えば、かの小田和正が在籍していたバンド。中期、後期はロックバンドとして人気を博したものの、初期の頃はフォーク・グループで、分かり易く、日本の「カーペンターズ」なんて紹介のされ方もしていた。
フォーク・サウンドはほとんど聴かないので、オフコースのファースト、セカンドあたりはちょっとあまり聴く気にはなれないのだけれど、このアルバムだけはどうも自分にとって特別なようだ。
このアルバムからのヒット曲といえば、西城秀樹がカバーした「眠れぬ夜」だろう。
このアルバムはレコーディングに500時間を費やしたと言うから、セカンド・アルバムの3倍以上の力の入れようと言えよう。さて、この作品から、実は東芝EMIの担当ディレクターが変わっている。
そのせいか、初期のオフコースとして、一つの方向転換を狙った意欲作でもあったのだろう。本作からアルバム全体のカラーが統一されて、全体としてメロディアスなポップ・サウンドを目指した。
今までの小田サウンドにはリズムを強調したものがほとんど無かったのだけれど、この作品からはビートを強調しだすようになる。またグループとしての個性を強烈に打ち出すかのようにシンセサイザーを用いて生まれたのが、「眠れぬ夜」だった。
それにしても小田和正と鈴木康博は本当に性格も作風も当時から対照的だったのだなとアルバムを聴きながら感じる。
個人的なエピソードを交えると、「何でこんなアルバム聴いたのかなぁ?」と思い出していたら、「老人のつぶやき」という変わった曲があるということで、紹介されたような記憶がある。
「愛の唄」は小田和正がソロになってからもリメイクされ、今でも歌われているだけあって、時を越えての名作だと思うし、アルバムのタイトルにもなっている「ワインの匂い」なんかも今で言うところのメロウなソフト・ロック(AOR)の延長線上にある曲だとも言えるだろう。
なんだかこのアルバムを聴いていた頃の思い出がよみがえるね。